製品と技術櫻井精密工業の技術と知識

「技術」と「知恵」を
合わせて誠意が完成する

取締役管理部長 櫻井雅邦

――櫻井精密工業の主な業務内容を教えてください。

マシニングセンタによるアルミの機械加工となります。
穴を開けたり、ネジを切ったり、形状を作ったり、切削したり。アルミ加工なら何でもやりますし、もちろんダイカストや真鍮も扱うこともできます。
携帯電話やパソコンのHDDを作るときの検査機の部品が主な製品でしょうか。モノをつくるための機械を作るということは、見えないところで人の役に立っているということ。町工場の誇りはここにあると考えております。

――櫻井精密工業の強みはなんでしょうか。

弊社の強みとなると、やはり場所ですね。大田区の工業地域なので、立地条件の良さによる24時間稼働を踏まえた短納期ニーズにも対応可能です。
この短納期こそが強みのひとつだと考えています。24時間稼働の工場がほかにあまりないということもありますが、一日を長く使える弊社は短納期のご依頼に応えられる工場であると自負しております。

また短納期ということで数量の面でも対応できますし、輸送コストも大田区なので有利です。数ものが得意ですが、今後は試作品や少量多品種にも重心を置いていきたいと考えています。

また品質保証の面については三次元測定機を用いた検査データ添付が可能です。

――技術的な特色というものはありますか。

技術というか知識ですね。
「技術」というと個人のもののようなイメージがあります。ソフトウェア次第でどこの会社でもできることを技術と呼んでいいのかどうか。
知識は、我々固有のものです。それに今も将来も応用が効くことです。45年以上の歴史と経験は、大きな知識の源です。部品製造のノウハウだけでなく、ある分野が得意な工場や職人を知っていたり、困ったときにどうしたらいいか経験があるということは、ほかのどこにも真似できない我々特有の財産だと思います。
そして、現代に合った知識をどんどん取り入れていくことも忘れてはいけないと心がけております。

――クオリティや品質管理で気をつけていることはありますか。

数が多いものを扱っているから、じゃないですけど。歩留まりには気をつけています。
一万個の中の一個の不良だったとしても、買っていただくお客さんからすると一個は一個。不良品が100%になってしまうんです。
自分たちの感覚ではなくて、お客さんの立場に立っての見方、考え方、姿勢ですね。お客さんの手に渡るものが不良では、やってる意味がないんですよ。不良を売るというのは、製造業としてあってはならないことです。だから品質的には厳しくやっています。